イスミの仮想現実滞在録

バーチャルYoutuberへの愛を込めて。

何者にもなれないままの、VTuberファンたちへ─前編─

──VTuberの眩しいエネルギーにあてられて、それでも何から始めたらいいかわからない、そんな同志たちへ──

 

 

・はじめに

 

 お久しぶりになりました、鷲見イスミです。

 

 ブログをえいやっ!と開設だけして、早、一ヶ月……一ヶ月!?書きかけのGW関連の記事も、大好きなVTuber紹介記事の下書きも、一旦全部おいときましょう。

 

 一ヶ月考えていたこと。それは、ブーム真っ只中のバーチャル世界を目の前に、勇気を持って踏み出していく多くの新人達を横目に、自分も何かをしたいとぼんやり考えながら、それでも何をしたらいいかわからない、そんな少し前の私のような人達への、エールです。

 

 挫折と奮闘の物語の第一編、どうぞお付き合い頂けると幸いです♡

 

 

・VTuberは、未だ創作クラスタの手の中にある、という大問題。

 

 これは、日々ひしひしと感じることのひとつ、です。絵が描けること。小説が書けること。動画が作れること。モデリングができること。VTuberとしてデビューするにはもちろんですが、それを応援するファンとしても、描ける、書ける、作れる、という技術の恩恵は、言うまでもなく大きいんです。

 それだけが応援の手段ではない、他のやり方もある、というのは重々承知です。ですが、嫉妬というべきか、後悔というべきか、そういう人生を歩んでこなかった自分と、そうでない人との溝に、落ち込む期間があったことも、また事実。恐らくは、乗り遅れることへの恐怖、何も持っていない自分への不安も、そこには含まれていたのでしょう。

 

 そういった創作する側に一切関わってこなかった同志が、きっとたくさんいるんではないか、と思っています。

 

 

・何かを創作するのに、実は技術は要らない。

 

 VTuber全員が全員絵描きの天才、とは言いません。この世界にだって、自らが描いたイラストや、自らが作ったモデルを使用せずに、堂々と最前線で活動されているVTuber様はいますから。ですが、絵が描けないから……という理由だけで身体をつくってもらえるほど、世間は甘くない。

 VTuberを創るに限らず、創作に必要なものって、何かを創ろうとするエネルギーなんですよね。技術はあるに越したことはありませんが、それだけでは決して立ち居かない。表現したいもの、やってみたいこと、まずはそのエネルギーがあれば、自分に足りないものを習得しようと思える、もしくは、必要な助けを周囲に求めることもできる。

 

  だからこそ、何かを創れる情熱を持った人たちと、そうでない自分との、温度差にやきもきしたのです。

 

 

・"被"創作クラスタとしての半生を振り返る。

 

 何もしてこなかった、と言いますが、別にサブカルな趣味に時間を費やさなかったわけでは、ありません。ゲームも色々手を出したし、アニメもかなりの時間を費やしたし、漫画だって数えきれないほど読みました。それに伴って、実況やMADの動画を見にいったり、SSを読んだり、同人誌だって買いにいったりも。自信を持って、私の趣味の中の、オタク的要素が占める割合は、限りなく大きいのです。

 そして、普通に人生を送っていれば、それを後悔することなんてあるはずなかったんです。MMDを動かして面白いことをする人、旬のネタを活かしてすぐSSを上げる人、そういう別世界の人種と、それを楽しむ私達がいる。それだけのことでした。

 

 ──そう、VTuberという世界に飛び込むまでは。

 

 端的に言えば、この世界はVTuberとファンとの双方向性の面白さが、大きな割合を持っていますよね。なので、デビューを目指すなら当然のこと、応援する側も、なんらかの創作力を持っていた方が、本人たちからのアプローチが増える、というわけです。

 でも、それに気付いた私の第一歩は、イラストの、モデリングの、勉強を始めること……ではありませんでした。

 

 

・今までのめり込んだコンテンツを、ひとしきり並べる時間。

 

  何も持っていないことへの後悔に暮れた私が取り掛かったのが、この虫干しの作業です。今までの人生で好きだったこと、ハマったこと、のめり込んだこと、全部とりあえず掘り出してみました♡

 

 例えば、ひぐらしうみねこにハマっていたあの頃、日本の怪異や西洋の悪魔、平行世界や思考実験について調べまくったなぁ、とか。

 例えば、作品としてストーリーを残すことはなかったけど、人狼とか、ウミガメのスープとか、日本語で文章を書く鍛練は、そういうゲームの中で覚えたなぁ、とか。 

 例えば、オンリー即売会に参加するレベルで好きだったモバマスラブライブも、キャラクター達の眩しい個性と、そこから産まれる関係性に、いつだって惹き付けられていたなぁ、とか。

 例えば、今の性癖に影響するアニメを何本も見たし、それについて毎年毎クール語り明かしたなぁ、とか。

 例えば、好きな動物、好きな髪型、好きな音楽、好きな声優、好きな×××、好きな二次創作。

 

 この作業は、上述した創作するエネルギーを捻出するにはうってつけでした。これなら語れる。これなら描きたいと思える。これなら、面白いことができそう……♡

 決して空白だったわけではない、私の半生を浮き彫りにしてみて。私を構成していたてんでバラバラの要素が、これから"鷲見イスミ"をはじめ、バーチャルの活動の礎になりそうな予感を、感じることができたのです。

 

 

・リアル世界における学歴のような、バーチャル世界における"サブカル歴"。

 

 バーチャル世界においては、顔やスタイルの良さはイラストやモデリングの技術であり、運動やスポーツの能力はトラッキングの技術や物理演算能力と類似しています。内面的な魅力の一部には、世界観の構成力や表情による感情の表し方、なども含まれてくるでしょう。 

 つまり、つまりですよ。今までリアルの世界で積み上げてきた、学歴や職歴、対人関係と反対に、新たにこのバーチャル世界で戦うための、自己評価基準が必要になるのです。

 もちろん、今の仕事や学業を武器にするもよし。ですが、人格を産み出すにはそれ一本では少し弱い。

 特に、ゼロから創作を始めようと思い立った私のような初心者にとって、好きなもの、全部詰め込んでおかないと、きっと楽しく続かないと思うんです。

 

 つくってみませんか?趣味の経歴書。

 きっと、ひとりの人格を創るに足る、ヒントが転がっているはずです。

 

 

・終わりに

 

 この記事を読んでくれた方のほぼすべてがVTuberファンだと思いますし、そのうちの多くが、私のように(故意か偶然か問わず)創作を避けて生きてきた側の人たち、だと思います。

 どうでしょう、一度、VTuberなんていう創作エネルギーの塊みたいな沼にハマったよしみです。一度、自分に備わっている、いた、趣味の武器。これを期に研いで見ませんか?

 

 そして、その作業が終わったら、いよいよ重い腰を上げて、創作の沼に歩を進める時間です。何かを創るお手伝いを、"被"創作側だった私だからこそ、背中を押せればと思うのです。

 

 次回は、私自身のイラストとの奮闘記になります。乞うご期待!

 

 

 それでは、鷲見イスミでした♡